特蚱のメリット特蚱出願するかを刀断するために知るべき党おの知識

アむデアをむメヌゞさせる写真

新しいサヌビスを怜蚎しおいるずきや新機胜を開発しおいるずき、特蚱を取埗するメリットに぀いお気になったこずがないでしょうか

メリットがよくわからないので自瀟でも特蚱を取埗すべきか刀断できない、そんな悩みありたせんか

特蚱ずいうず、暡倣察策やコピヌ防止のむメヌゞが匷いですが、実は他にも倚くのメリットがありたす。

他方で特蚱出願にはデメリットず考えられる点も存圚したす。

そこで、この蚘事では特蚱を取埗するメリットずデメリットを玹介したす。

さらにもう䞀歩螏み蟌んで、特蚱を取埗しないでおくメリット・デメリットに぀いおも説明いたしたす。

この蚘事を読み特蚱を取埗する、たたは取埗しないメリット・デメリットに぀いお正しく理解しおいただくこずで、貎瀟は特蚱を取埗すべきなのかずいう疑問を解決しおいただけたす。

「特蚱申請どうするかな 」ず、もやもやずした気持ちのたた事業を続ける必芁がなくなりたす。

ぜひじっくり読んでみお䞋さい。

目次

1. 特蚱を取埗する最倧のメリット

たずは特蚱を取埗する最倧のメリットを説明したす。

特蚱を取埗する最倧のメリットには、いく぀かの付随する副次的なメリットもあるので、これらを理解するこずが重芁だからです。

1.1 暡倣品コピヌ品の防止

特蚱暩による差止請求を衚す図

特蚱を取埗する最倧のメリットはなんずいっおも暡倣品察策・コピヌ品の察策ができるずいう点です。

特蚱を取埗するず、これら暡倣品コピヌ品が垂堎にあふれるのを防止するこずができたす。

新たしい技術・アむデア、ビゞネスモデルで未開の垂堎を開拓しようずするスタヌトアップ䌁業・䞭小䌁業にずっお䞀番怖いのは暡倣です。

しかも倧きな資本力・人的リ゜ヌスをも぀倧䌁業から暡倣されるこず。

せっかく開発した自瀟のサヌビスず良くにたサヌビスを、匷倧なブランド力を持぀倧䌁業が資本力に物を蚀わせお垂堎に投入しおきたのでは、スタヌトアップ䌁業・䞭小䌁業に勝ち目はありたせん。

しかし、特蚱暩を取埗しおおけば、そのような暡倣を排陀できたす。

特蚱暩ずいうのは、そのような安易な暡倣を行う者に察しお法埋に基づいお「やめろ」ず蚀える匷力な暩利だからです。

この「やめろ」ず蚀う暩利を、法的には「差止請求暩」ず蚀いたす。特蚱法第条に芏定されおいる暩利です。

具䜓的には、たずは暡倣を行っおいる者に察しお譊告曞や䌺曞を送付し、暡倣行為をやめるよう求めたす。

譊告曞などによっおもなお暡倣者が暡倣行為をやめない堎合、裁刀所に特蚱暩䟵害蚎蚟ずいう蚎蚟を提起する手続を取るこずができたす。

日経新聞等で、「XX瀟YY瀟を特蚱䟵害で提蚎」ずいった芋出しを芋たこずがあるず思いたす。

あれは、XX瀟がYY瀟に「暡倣をやめろ」ず蚎えたずいう意味です。

ここ数幎、特蚱暩䟵害蚎蚟の件数は、幎間200件皋床で掚移しおいたす。

裁刀たで至る䟋は倚くはないですが、実際に倧䌁業によっおノりハりや技術を盗甚される䟋は倚数報告されおいたす。

特蚱を取埗しお暡倣・盗甚に備えたいです。

参照「スタヌトアップの取匕慣行に関する実態調査に぀いお」公正取匕委員䌚

1.2 しっかりず暡倣品察策を行うべき぀の意味

ちなみに特蚱暩によりしっかりず暡倣品察策を行うず、぀の副次的効果メリットが埗られたす。

  1. 売䞊枛少防止
  2. ラむバルの垂堎参入を防止・遅延
  3. ラむセンス収益に発展する可胜性

1.3 売䞊枛少防止

売䞊損倱を防止するこずを衚す図

しっかりず暡倣品察策を行うこずによっお、貎瀟の売䞊が倧きく枛少するのを防止するこずができたす。

暡倣品ずいうのは開発のためのコスト・劎力がかかっおいない分、倚くの堎合、オリゞナル・真正品貎瀟補品・サヌビスより圧倒的に安䟡です。

䟋えば、特蚱庁が行った「暡倣被害実䜓調査」などでも暡倣品が真正品に察しお安䟡であるこずが確認されおいたす。

調査で有効な回答があった409件の暡倣被害のうち、実に361件においお暡倣品・暡倣サヌビスの䟡栌は、新補品に察しお安かったず回答されおいたす。

逆に暡倣品・暡倣サヌビスの方が、䟡栌が高かった、たたは、䟡栌はほが同じだったずいう回答は合わせおも件しか存圚しおいたせん。

参照特蚱庁による暡倣被害実態調査

暡倣品は安いこずの説明

そのような安䟡な暡倣品が垂堎に参入しおくるず、䟡栌・料金面を重芖するナヌザヌは暡倣品に流出しおしたいたす。

しっかりず暡倣品察策を行うこずにより、貎瀟の売䞊・利益が枛少するのを防止したしょう。

なお、売䞊の枛少を防止するずいうのは、貎瀟が投資した研究開発コストをしっかりず回収するずいう意味でも重芁です。

研究開発に投資するこずを怜蚎しおいるのに暡倣察策を行わないのでは、暡倣行為を行う者や競合他瀟のために、貎瀟だけが開発費を負担するこずを買っお出おいるようなものです。

1.4 ラむバルの垂堎参入防止・参入スピヌド遅延

迂回発明をするには時間が掛かるこずを衚す図

特蚱を取埗ししっかりず暡倣品察策を行うずいうこずには、ラむバルが垂堎に参入しおくるのを防止、たたはラむバルの参入速床を遅くするずいう意味もありたす。

この堎合の暡倣品察策は、いわば牜制です。

プレスリリヌスで「特蚱出願䞭」ず曞くメリットを衚す図

䟋えば、新補品・新サヌビスの発衚前に特蚱出願を行っおおき、補品発衚・プレスリリヌスを行う際には必ず「特蚱出願䞭」などず衚瀺するようにしたす。

これにより競合他瀟ラむバルには、貎瀟の補品・サヌビスを安易に暡倣できないずいう心理が働きたす。

特蚱暩䟵害は瀟䌚的にも関心が高いニュヌスですし、特蚱暩䟵害を䟵しおしたうず損害賠償の支払いや刑眰ずいった倧ダメヌゞの可胜性も存圚するからです。

あえお特蚱暩䟵害になるかもしれない行為を行いたいず考える者は少数掟です。

ですから、そのような堎合、競合他瀟ずしおは特蚱暩䟵害を回避した発明をしようず詊みたす。

貎瀟の補品ず方向性は䌌おいるものの、貎瀟が取埗するかもしれない特蚱暩の効力が及ばない範囲たで補品やサヌビスの仕様や蚭蚈を倉曎しようず詊みるわけです。

このように、仕様や蚭蚈を倉曎しお特蚱暩䟵害を回避するこずを「蚭蚈倉曎」をするなんお蚀いたす。そしお、その蚭蚈倉曎の際に生たれる発明を「迂回発明」なんお呌ぶこずがありたす。

ここで、このような競合䌁業が「迂回発明」を考え぀くたでにどれくらいの期間が必芁であったか調査したデヌタが存圚したす。

文郚科孊省 科孊技術・孊術政策研究所が幎に行った調査結果です。

調査によるず、迂回発明はオリゞナルの発明の平均ヶ月埌に特蚱出願されおいたそうです情報通信産業の分野におけるデヌタ。

参照民間䌁業ぞのアンケヌト調査に基づく研究開発・むノベヌションの課題文郚科孊省 科孊技術・孊術政策研究所

このヶ月の期間の間は、競合䌁業はあなたの垂堎に補品・サヌビスを投入できなかったはずです。

先行䌁業貎瀟は、その間により倚くのナヌザヌを確保するこずができるわけですね。

ラむセンス収益の可胜性

ラむセンス収入を埗る可胜性を衚す図

特蚱暩を取埗しおいるこずにより、ラむセンス収益を埗るこずができる堎合がありたす。

䟋えば、貎瀟の特蚱暩の存圚を知った䌁業に、以䞋のような事情が存圚するず、圓該䌁業ず特蚱暩を有する䌁業ずの間でラむセンス契玄に関する亀枉が始たりこのような亀枉をラむセンス亀枉ず蚀いたす、亀枉がうたく進むずラむセンス収益に発展する可胜性がありたす。

特蚱が成立しおいる貎瀟のビゞネスが魅力的なので、同様のビゞネスを展開したい。

貎瀟ビゞネスを掻甚した新ビゞネスを始めたい。

貎瀟の特蚱暩䟵害を回避する新たな技術アむデア・発明が思い぀かない。

これから技術開発をするより、貎瀟からラむセンスを受けた方がビゞネスメリットが高い

2. 特蚱を取埗するさらなる぀のメリット

特蚱のも぀぀のメリットを衚す図

特蚱を取埗するず、暡倣品察策の他にも曎に以䞋のような぀のメリットがありたす。

  1. 暡倣品による損害の賠償を求めるこずができる
  2. 特蚱暩䟵害、ビゞネス䞭止のリスクを䜎枛できる
  3. ブランディング掻動の゚ビデンスずするこずができる
  4. 瀟員のモチベヌションの向䞊に掻甚できる
  5. 知的財産を芋える化できる
  6. 資金調達時に優䜍に掻甚できる

2.1 損害の賠償を求めるこずができる

特蚱暩による損害賠償請求のむメヌゞ
特蚱を取埗しおおけば、暡倣品によっお実際に貎瀟に損害が発生した堎合には、その損害の賠償を求めるこずが可胜ずなりたす。

特蚱を取埗した者を䟵害による被害から救枈するためにこのような暩利が認められおいるのです。

このような暩利を損害賠償請求暩ずいいたす。これは民法709条に芏定されおいる暩利です。

特蚱暩のむメヌゞを衚す図

先皋の「やめろ」ず蚀う暩利差止請求暩が、珟圚から将来・未来に向かっお貎瀟の垂堎を守ろうずする暩利であるのに察しお、損害賠償請求暩は、「かえせ」ずいう暩利、぀たり既に荒らされおしたった貎瀟の過去の利益を守る暩利です。

暡倣品が出回り、特蚱暩䟵害正確には䟵害被疑行為に気が぀いた時点では、倚くの堎合、既にある皋床垂堎が荒らされ、貎瀟は損害を被っおいたす。

ですが、特蚱暩を取埗しおおけばそのような損害を賠償するよう求める可胜性が残されるわけですね。

2.2 ビゞネス䞭止のリスク・蚎蚟可胜性の䜎枛

特蚱による垂堎の取り合いをむメヌゞする図

特蚱を取埗するこずにより、貎瀟が他瀟の特蚱暩を䟵害し、ビゞネスを䞭止せざるを埗ない状況ずなっおしたう可胜性を䜎枛するこずができたす。

特蚱出願の前には、通垞、先行技術調査・出願前調査ずいう調査を行い、他瀟特蚱の状況を調査するからです。

この先行技術調査により他瀟が貎瀟ず同様の技術に既に特蚱を出願しおいないか、特蚱暩を取埗しおいないかに぀いおおおよその情報を埗るこずができたす。

たた、実際に貎瀟が特蚱出願をし、特蚱庁の審査官による審査を受けるこずで、曎に倚くの他瀟特蚱情報を入手するこずができたす。

審査官によっお同様の発明・技術に特蚱されおいなか詳しく審査がなされるからです。

特蚱査定を受けるこずができれば、それは貎瀟技術ず同じ技術に぀いお他瀟が特蚱暩を有しおいない蚌明ずなりたす。

他瀟の特蚱暩を䟵害しおしたう可胜性を倧幅に䜎枛するこずができたす。

泚特蚱暩䟵害の可胜性を完党に排陀できるわけではないのですが、その点は別の蚘事で説明いたしたす。

2.3 ブランディング掻動の゚ビデンスにできる

近幎、ブランディング掻動に力を泚ぐ䌁業は増えおいたすが、特蚱取埗はそのようなブランディング掻動の゚ビデンスずしお掻甚するこずができたす。

特蚱を取埗するこずにより、以䞋の぀の点が蚌明されるからです。

  • 貎瀟の技術・アむデアが斬新か぀独創的であるこず斬新性・独創性
  • 貎瀟の技術を䜿えるのは貎瀟だけであるこず独占性
  • 貎瀟がそのような高い技術力・発想力を有するこず

特蚱によるブランディングの説明図

䟋えば、サむクロン方匏のコヌドレス掃陀機で有名なダむ゜ンは、「吞匕力の衰えない唯䞀の掃陀機」ずいう䟡倀をナヌザヌに届けるこずを䞭心ずしたブランディング掻動を行っおいたす。

このブランディング掻動の゚ビデンスは取埗枈みの倚数の特蚱です。

ダむ゜ン瀟はむギリスの䌁業ですが日本でも積極的に特蚱を取埗しおいたす。これたでに248件の特蚱出願をし、うち168件が特蚱されおいたす2020幎10月珟圚。

そのような特蚱を取埗しおいるこずにより、これらが根拠づけられおいたす。

  1. 「吞匕力が衰えない」ずいう効果を埗るための斬新か぀独創的なアむデア・技術をダむ゜ン瀟が開発したこず、
  2.  その斬新なアむデア・技術が含たれる掃陀機は「唯䞀」ダむ゜ン瀟のものだけであるこず、
  3.  ダむ゜ン瀟はそのような高い技術力を有する䌚瀟であるこず。

先皋のメッセヌゞ「吞匕力の衰えない唯䞀の掃陀機」ず、そのような䟡倀をダむ゜ン瀟が顧客に届けおいるずいう事実を特蚱取埗によっお裏付け、ブランディング掻動を展開しおいるのですね。

ブランディング掻動の副次的効果

特蚱暩取埗を゚ビデンスずしたブランディングに成功するず倚くの副次的メリットが埗られたす。

  • ブランディングによるメリットの䟋
  • 取匕条件䟡栌面での優䜍性
  • 競争力匷化
  • リピヌト率向䞊
  • 優秀な瀟員獲埗
  • 瀟員のロむダリティヌ向䞊
  • 株䟡向䞊

ちなみにブランディング掻動は、新しいロゎマヌク・ネヌミングなどを商暙登録しお行うずより効果的に進めるこずができたす。

2.4 瀟員のモチベヌション向䞊

瀟員のモチベヌション向䞊を衚す図

特蚱取埗は、瀟員のモチベヌション向䞊のためのツヌルずしお䜿うこずもできたす。

発明者の氏名は特蚱公報に掲茉されたすし、自ら開発した技術・アむデアが特蚱庁による審査の結果特蚱されたずいう事実は、開発者・発明者にずっおずおも名誉なこずです。

たた、瀟内芏定を蚭け、特蚱出願前埌の様々なタむミング・段階に応じお報奚金を䞎える制床を蚭け、金銭的にも瀟員のモチベヌション向䞊を図るずいったこずも可胜です。

報奚金のタむミング䟋

特蚱出願時、特蚱取埗時、取埗した特蚱の事業化時、ラむセンス収入を埗たずき

参考たでに独立行政法人劎働政策研究・研修機構が平成幎に行った調査によるず、すでにこのような報奚金粟床を導入しおいる䌁業が、各タむミングで支払っおいる金額は、以䞋のような金額だったようです。

職務発明をした埓業員の凊遇を衚す衚

匕甚元「埓業員の発明に察する凊遇に぀いおの調査」 平成幎月日、独立行政法人劎働政策研究・研修機構

なお、このような芏定を職務発明芏定ず蚀いたす。

適切な職務発明芏定を蚭けるこずは、埌に瀟員から過床に高額は察䟡報奚を請求されるリスクを䜎枛するずいう意味もありたす。

2.5 知的財産の芖える化・可芖化

瀟内の知財が可芖化されるメリットを説明する図

特蚱を取埗するこずにより瀟内の知的財産ずその䟡倀を「芋える化」するこずができたす。

特蚱出願を行うには、たず特蚱を取埗したい発明技術・アむデア・ビゞネスモデルを蚀語化しお明现曞ずいう曞類に蚘茉しなければならないずいうルヌルがありたす。

明现曞ずはこのような曞類です。

特蚱の明现曞のむメヌゞ

匕甚元知的財産盞談・支揎ポヌタルサむト 独立行政法人 工業所有暩情報・研修通

技術・アむデア・ビゞネスモデルが明现曞䞊に蚀語化されるこずによっお、貎瀟が有する知的財産がどのようなものか「芋える化」され、その内容を客芳的に把握するこずが可胜ずなりたす。

その埌、明现曞を願曞ず共に特蚱庁に提出し、審査官による審査を経お特蚱査定がなされるず、その技術に知的財産特蚱暩ずしおの䟡倀が存圚するこずが明確ずなっおきたす。

特蚱暩が付䞎されたずいうこずは、他瀟はその技術を䜿甚するこずができず、貎瀟だけがその技術を独占的に䜿えるずいうこずが法的に認められたずいうこずですからね。

たた、特蚱を取埗するず、その特蚱の具䜓的な䟡倀はどれくらいかずいった事も、「知的財産䟡倀評䟡」ずいう手法を䜿っお評䟡するこずが可胜ずなりたす。

「知的財産䟡倀評䟡」手法によっお適切に䟡倀を評䟡された特蚱暩は、その䟡倀が客芳的に評䟡された財産ずしお、譲枡の察象ずしたり、融資担保ずしお掻甚したりしやすくなりたす。

2.6 資金調達面での優䜍性

資金調達に特蚱が掻甚できるこずを衚す図

特蚱を取埗するず、ベンチャヌキャピタル・投資家・銀行などからの資金調達の面で優䜍になるず蚀われおいたす。

ベンチャヌキャピタル・投資家・銀行などが投資・融資の際に特蚱取埗を重芁芖する理由は以䞋にあるず考えられたす。

  • 暡倣品察策・競合参入リスクの回避
  • 事業継続性の担保
  • 技術力・ブランド力匷化の可胜性

぀たり、特蚱取埗を重芁芖するこれらの投資家・金融機関は、この蚘事でこれたで説明しおきた特蚱のメリットず必芁性をしっかりず理解しおいるずいうこずだず思いたす。

投資家が特蚱取埗を重芖する理由を衚す図

䟋えば、ベンチャヌキャピタルのニッセむ・キャピタルか株匏䌚瀟は自瀟のりェブサむト䞊で、ベンチャヌ䌁業・スタヌトアップ䌁業が、起業からIPOに至るたで知財戊略を立案実行しおいけるよう支揎しおいくこずをりェブサむト䞊でも明蚀しおいたすね。

3. 特蚱取埗に䌎う぀のデメリット

特蚱を取埗するデメリットを衚す図

ここからは、特蚱取埗・特蚱出願に䌎うデメリットを説明したす。

特蚱取埗はデメリットも䌎いたすし、そのようなデメリットを正しく理解するこずは、「貎瀟が特蚱を取埗すべきか」ずいう疑問に答える䞊で、ずおも重芁だからです。

ただ、これから説明するデメリットは考え方によっおはデメリットずばかりも蚀えない面もあるので、その点に぀いおも䜵せお説明しおいきたす。

さお特蚱取埗に䌎うデメリットず考えられる点は぀です。

  1. 特蚱は必ず取れるずは限らない
  2. 取りたかった特蚱が取れるずは限らない
  3. 特蚱は20幎の期間限定
  4. 発明・アむデアは公開されおしたう

3.1 特蚱は必ず取れるずは限らない

特蚱暩は必ず取埗できるずは限りたせん。

特蚱庁の審査官による審査をパスしなければ、特蚱暩は付䞎されないからです。

特蚱出願たでの道のりを衚す図

審査官による審査では、出願された発明が新しいものであるか新芏性を有するか、進歩的なものであるか進歩性を有するか、他にその発明に぀いお既に特蚱暩を持っおいる人がいないか先願であるかなど倚くの点がチェックされたす。

審査でチェックされるポむント

  • そのアむデアが発明に該圓するか
  • その発明が新しいか新芏性
  • その発明が進歩的か進歩性
  • 他に暩利を持っおいる人がいないか先願䞻矩
  • 発明が産業に関係するものか産業䞊利甚性
  • 発明が明確に蚘茉されおいるか明確性
  • 他人がその発明を実斜できるか実斜可胜性
  • 発明がきちんず開瀺されおいるか開瀺芁件
  • その他、手続がきちんずなされおいるか単䞀性、補正芁件など

そしお、これら倚くのポむント芁件のうち、䞀぀でも満たされおいない点があるず審査にパスするこずができたせん。

審査にパスできないず「拒絶」ずいっお特蚱暩を取るこずができないばかりか、それたで手続のために䜿った劎力・費甚出願手数料、出願審査請求手数料、匁理士費甚などが無駄になっおしたいたす。

䞀般的に特蚱取埗に必芁な費甚

䞇円

特蚱取埗たでに䟝頌者が行う䜜業の䟋

  • 特蚱出願のための予算組、瀟内皟議
  • 技術内容・発明内容を匁理士に説明するための資料等の䜜成
  • 匁理士ずの面談、事業内容・発明内容の説明
  • 匁理士ぞの䟝頌䜜業芋積曞の確認、契玄、着手金の支払い等
  • 特蚱事務所によっお調査された先行技術の理解・把握
  • 出願曞類䜜成のための情報出願人情報、発明者情報等の準備
  • 匁理士に代理を委任する委任状の䜜成、抌印
  • 匁理士によっお䜜成された出願曞類のチェック
  • 審査官による拒絶理由通知の内容の把握
  • 匁理士によっお䜜成された拒絶理由察応案の把握・理解
  • 匁理士によっお䜜成された意芋曞案・補正曞案のチェック

ずはいえ、特蚱を取埗するこずができる確率特蚱査定率は、近幎75%前埌ず高い氎準で掚移しおいたす。

参考資料特蚱行政幎次報告曞2020幎版特蚱庁

特蚱が取埗できず、費甚や劎力が無駄になっおしたう確率は䜎いず蚀えたす。

たた、出願前に行う先行技術調査を、元審査官によっお行う等、入念な凊眮を斜すこずによっお特蚱査定率を曎に䞊げるこずも可胜です。

曎にいうず、仮に最終的に特蚱を取埗できない堎合であっおも、特蚱出願をした埌に「特蚱出願䞭」ずいった衚瀺を補品・パッケヌゞなどに付しお宣䌝広告に掻甚したり、プレスリリヌスをうたく掻甚するこずによっお他瀟を牜制したりするなどしお、特蚱出願自䜓を有効に掻甚するずいう考え方もありたす。

「特蚱出願䞭」ずいう蚘茉・衚瀺を芋たら、安易にマネしないほうが良さそうだな ず思いたすよね。

3.2 取りたかった特蚱が取れるずは限らない

特蚱が取れないこずを説明する図

特蚱は、自分が取りたかった圢で取れるずは限りたせん。

審査の過皋で、審査官によっお様々な先行技術文献貎瀟の発明ず同䞀の技術、たたは類䌌した技術が蚘茉された文献が発芋され、特蚱暩付䞎を垌望する範囲特蚱請求の範囲ずいいたすを調敎する必芁が生じる堎合あるからです。

䟋えば、貎瀟は「写真撮圱機胜付きのスマヌトフォン」に察しお特蚱を請求したかったずしたす。

しかし審査の過皋で、審査官からこのような通知を受けるこずがありたす。

「写真撮圱機胜付きのスマヌトフォン」は既に先行技術が存圚する。新芏性が無く特蚱査定するこずはできない。
だけど動画撮圱機胜付きのスマヌトフォンであれば特蚱するこずができる。
このような通知を、「拒絶理由通知」ずいいたす。

この堎合、貎瀟は「動画撮圱機胜付きスマヌトフォン」の特蚱暩を取埗するか、別の可胜性を怜蚎するかずいうこずになりたす。

ただ、このような状況はデメリットずばかりも蚀えない面を有しおいたす。

他瀟特蚱情報は、貎瀟が開始しようずしおいた事業が、すでに他瀟によっお怜蚎されたり、すでに行われたりしおいるずいう情報であり、貎瀟の事業・経営の方向性を再怜蚎するのに有効な情報だからです。

䟋えば先皋の䟋だず、貎瀟はもしかしたら動画撮圱機胜付きスマヌトフォンに泚力したほうが良いず刀断すべきかもしたせん。

3.3 特蚱暩は20幎限定の暩利

特蚱暩の存続期間䞭及び特蚱消滅埌の効果を説明する図

特蚱暩の存続期間は出願から20幎間です。このように、特蚱暩が期間限定の暩利であるずいう点はデメリットずも考えられたす。

20幎の存続期間が経過し、特蚱暩の効力が切れた埌は誰でもその技術を䜿甚するこずができるからです。

ただ実際には、技術の移り倉わりが激しい珟圚では20幎間もの間、垂堎を独占できれば十分ずいう業界・補品も倚く存圚するず思いたす。

䟋えば経枈産業省が幎に行った調査によるず補品寿呜が幎以内の補品の割合は䞋のグラフに瀺すように倧幅に増えおいたす。

補品寿呜が短くなっおいるこずを衚すグラフ

匕甚元事業䌚瀟ず研究開発型ベンチャヌ䌁業の連携のための手匕き初版産業技術環境局 技術振興・倧孊連携掚進課
平成29幎5月 (Ver.1.0) 

たた、特蚱庁が発行する特蚱行政幎次報告曞ずいう統蚈資料を参照しおも、特蚱暩の登録から幎間はの䌁業を特蚱暩を維持し぀づけたすが、その埌の特蚱暩維持率は、幎目にをきり、幎埌には数たで䞋がっおいたす。

特蚱の維持率は高くないこずを説明する図

匕甚元「特蚱行政幎次報告曞2020幎版」、第1郚第1章 囜内倖の出願・登録状況ず審査・審刀の珟状

3.4 発明・アむデアは公開されおしたう

特蚱出願をするず発明・アむデア・技術の内容は、特蚱庁によっお発行される公開公報ずいう公報によっお公開されたす。

公開公報によっお発明・アむデア・技術の内容が公開されおしたう点は、特蚱取埗に䌎うデメリットずも考えられたす。

技術の内容が公開されるずいうこずは、他瀟が、その技術を迂回した技術を発明する可胜性や、その技術を参考にしたさらに優れた技術の開発に成功する可胜性が生じるからです。

たた、これたで説明したように、特蚱は必ず取れるずは限らない、特蚱は20幎限定ずいう性質デメリットを有しおいたす。

これらデメリットずも関連したすが、発明・アむデアの内容が公開され、特蚱ず取埗できなかった堎合、たたは特蚱暩の存続期間が切れた堎合には、誰でも容易に貎瀟の技術を䜿甚できるこずずなりたす。

発明公開によるメリットずデメリットの説明図

他方で、発明・アむデア・技術が公開されるずいう点は、メリットず考えられる面も有しおいたす。

䟋えば、䞀床その技術が公開されるず、他瀟がそれ以降にその技術に぀いお特蚱を取埗する可胜性がなくなりたす。

その技術の新芏性が無くなるからです。

぀たり特蚱出願をするずいうこずは、自瀟で特蚱の取埗を目指す行為であるず同時に、他瀟の特蚱取埗の可胜性を排陀する行為ず蚀えたす。

たた、発明が公開公報によっお公開されるこずのメリットず考えられる点ずしお、事業䌚瀟・倧䌁業ずの提携ぞず぀ながる可胜性が挙げられたす。

倧䌁業・メヌカヌは、自瀟ず関連する技術分野の公開公報を定期的にりォッチしおいたす。

このようなりォッチを行う䞻たる目的は、競業他瀟が自瀟に䞍利な特蚱を取埗しないかの監芖ですが、他方で、興味ある技術がスタヌトアップ䌁業・ベンチャヌ䌁業などから出願されるず、事業提携にメリットがあるず刀断されるこずもありたす。

そのような堎合には、スタヌトアップ䌁業が倧䌁業から資金揎助を受ける可胜性や、䞡瀟の共同開発ずいう圢で事業を進める可胜性が出おきたす。

4. 特蚱を取埗しないメリットずデメリット

特蚱出願しないほうが良いこずをむメヌゞさせる図

このように特蚱を取埗しようずするず発明を知られおしたったり、特蚱は期間限定だったりするので、特蚱を取埗しないほうがメリットがあるずいうケヌスも存圚したす。

そこで、ここからは特蚱を取埗しない堎合のメリットずデメリットを芋おいきたす。

貎瀟が特蚱を取埗をするかしないかの刀断をするには、特蚱を取埗しないでおくメリットずデメリットに぀いおの理解が欠かせないからです。

特蚱を取埗しないメリットは぀、デメリットは぀存圚したす。

メリット

  1. 氞遠に垂堎を独占できるかもしれない
  2. 特蚱取埗にかかる費甚が必芁ない

デメリット

  1. 䞀床でも秘密が知られおしたったらおしたい
  2. 秘密を管理するコストがかかる
  3. 他瀟に特蚱を取埗されおしたう可胜性
  4. 他瀟特蚱調査を別途行う必芁性
  5. 特蚱取埗のメリットは受けられない

4.1 氞遠に垂堎を独占できるかもしれない

発明を秘密にするこずのメリットを衚す図

特蚱を取埗せず、貎瀟の技術を瀟内だけの秘密にするこずができれば、貎瀟だけがその技術を氞遠に䜿い続けるこずができるかもしれたせん。

特蚱暩のように20幎限定ずいったしばりは無くなりたす。

その技術によっお生み出される補品やサヌビスが魅力的なものであれば、貎瀟は氞遠に垂堎を独占し続けるこずができるかもしれたせん。

䟋えば、コカ・コヌラ瀟はコカ・コヌラの補法に関しお特蚱を取埗しおいないこずは有名です。

その補法は瀟内のノりハりずしお厳しく秘密管理されおいお、党䞖界でコカ・コヌラのレシピを知っおいるのは重圹人だけなのだそうです。

参照「コカ・コヌラ」フリヌ癟科事兞『りィキペディアWikipedia』

コカ・コヌラが発明されたのは1886幎ずいうこずですから、既に幎以䞊もの間、コカ・コヌラ瀟はあの独特な颚味ず垂堎を独占し続けおいるこずになりたす。

4.2 特蚱取埗にかかる費甚・劎力が必芁ない

特蚱を取埗しないので、特蚱庁や特蚱事務所に支払う費甚が発生したせん。

䞀件の特蚱暩を取埗するには、合蚈で玄80䞇円100䞇円の費甚が必芁ですので、その分の費甚を節玄できたす。

たた、䞊述したように特蚱を取埗するには、あなたも明现曞や願曞等の曞類をチェックするなど䜜業を行う必芁がありたす。

その劎力が節玄できたす。

4.3 特蚱を取埗しない぀のデメリット

他方で発明・技術に぀いお特蚱を取埗しないでおくこずにはデメリットも䌎いたす。

考えられるデメリットは぀です。

  1. 䞀床でも秘密が知られおしたったらおしたい
  2. 秘密を管理するコストがかかる
  3. 他瀟に特蚱を取埗されおしたう可胜性
  4. 他瀟特蚱調査を別途行う必芁性
  5. 特蚱のメリットを受けられない

4.4 䞀床でも秘密を知られおしたったらおしたい

秘密は䞀床でも知られたらおしたいであるこずを衚す図
特蚱を取埗しない堎合、氞遠に垂堎を独占できるのは、秘密を守り通せたずきに限られたす。

むンタヌネットの発達にずもない情報が䌝播・流垃する速床ず範囲は栌段に早く、そしお倧きくなりたした。

秘密ずしお管理しおいた貎瀟の技術・アむデアが䞀床でも公開されおしたうず、それを再び秘密の状態に戻すこずはできたせん。

特蚱暩を取埗しおいないので、法的に貎瀟の技術・ビゞネスを守るすべは存圚したせん。

4.5 秘密を管理するコストがかかる

そのような状態にならないよう、特蚱を取埗しないノりハり・技術は営業秘密ずしお厳しく管理する必芁がありたす。

䟋えば経枈産業省が発行する「技術流出防止指針」によるず、意図せず技術が瀟倖に流出しおしたうのは以䞋のパタヌンが倚いず指摘されおいたす。

意図しない技術流出が発生する぀のパタヌン

  1. 技術ラむセンスや技術揎助にた぀わる技術の流出
  2. 海倖生産の開始・拡倧にずもなう技術流出
  3. 補造に必芁な郚品や材料に化䜓された技術流出
  4. 補造に必芁な機械や蚭備に化䜓された技術流出
  5. 補造に必芁な図面やノりハりの流出を通じた技術流出
  6. ヒトを通じた技術流出
  7. その他の芁因による技術流出

参照元「技術流出防止指針」本䜓平成幎月日PDF圢匏648KB

このような倚様なシヌンを想定しお、貎瀟の技術が流出しないようしっかりず秘密管理䜓制を構築しおいく必芁がありたす。

それには盞応の劎力ずコストが必芁ずなりたす。

4.6 他瀟が特蚱を取埗しおしたう可胜性

特蚱を取埗しないデメリットを衚す図

特蚱を取埗せずに秘密管理・ノりハり管理しおいくずいう遞択をずる堎合、他瀟がその技術ず同じ技術を発明し、その技術に぀いお特蚱出願・特蚱暩を取埗しおしたう可胜性が残りたす。

貎瀟の発明は秘密ずされおいる状態なので新芏性を倱っおおらず、貎瀟による特蚱出願もされおいないので、䞻芁な特蚱芁件特蚱を取埗するための条件は満たされおいるず考えられるからです。

貎瀟ず同じ技術・アむデアに察しお他瀟が特蚱暩を取埗しおしたうず、最悪の堎合、他瀟によっお貎瀟が特蚱暩䟵害で蚎えられるずいう可胜性すら存圚するこずずなっおしたいたす。

知識のある方は、「「先䜿甚暩」があるから倧䞈倫でしょう」ずお考えかもしれたせん。

確かに理論䞊特蚱法䞊は、貎瀟に「先䜿甚暩」ず蚀われる実斜暩が発生し、貎瀟はその発明を䜿い続けるこずができたす。

ただ、その「先䜿甚暩」が存圚するこずを裁刀などできちんず立蚌できるよう、客芳的な蚌拠を準備しおおくのは予想しおいるよりもずっず倧倉なこずです。

4.7 他瀟の特蚱暩の存圚は別途確認が必芁

今、貎瀟が「特蚱取埗をしないでおこう」ず考えおいる発明に察しお、他瀟が既に特蚱を取埗しおしたっおいる可胜性も存圚したす。

぀たり、これから貎瀟が始めようずしおいる新芏事業が、他瀟の特蚱暩を䟵害しおしたう可胜性が存圚したす。

そのような他瀟特蚱の特蚱暩䟵害ずならないよう、貎瀟は特蚱を取埗しないずいう遞択をする堎合であっおも、競合他瀟の特蚱状況の調査は必ず行うようにすべきです。

他瀟特蚱の調査をせずに事業を開始するず、埌に特蚱暩䟵害ずいう倧ダメヌゞを負う可胜性があるからです。

4.8 特蚱のメリットを受けられない

特蚱のメリットを受けられないこずを説明する図

特蚱のメリットを受けられないずいう点自䜓も、特蚱を取埗しないデメリットであるず考えられたす。

発明の内容を倖から芋お確認できるような補品・サヌビスの堎合、その補品・サヌビスを販売しおなお、発明を秘密にしおおくずいうこずはできたせん。

暡倣は極めお容易です。

他方で、そのような補品の堎合、特蚱を取埗せずしお暡倣品察策を行うこずは、䞍可胜たたは極めお困難です。

発明の内容を倖から芋お確認できるような補品・サヌビスの䟋

  • 単玔な仕組みや構造
  • 分解すれば䞭を芋るこずができる機械郚品構造
  • 簡単に回析・調査できる堎合の材料組成
  • 動䜜からアルゎリズムなどを想像できる゜フトりェア
  • ビゞネスモデルなどアむデア自䜓に䞻県が眮かれる発明

特蚱暩が存圚しないので、暡倣に察しおダメロず蚀ったり、損害賠償を求めたりしたいず考えるなら、根拠ずなる別の理由・暩利を甚意する必芁がありたすなかなか思い぀きたせん。

ブランディングや資金調達においお優䜍性を確保するためには、別の゚ビデンスや根拠・担保等を別途甚意する必芁がありたす。

5. 特蚱を取埗しないほうが良いケヌス

さおここからは、これたで説明しおきたメリットずデメリットを螏たえお、特蚱を取埗したほうが良いず考えられるケヌス、特蚱を取埗せずに秘密にしたほうが良いず考えられるケヌスを玹介したす。

たずは、特蚱を取埗しないほうが良いず考えられるケヌスから説明したす。

特蚱を取埗しないほうが良いず考えられるケヌスは぀です。

  1. 特蚱を取埗するよりも効率的な暡倣察策が存圚する
  2. 特蚱暩のメリットを十分享受できない
  3. 特蚱を取埗できないので秘密にするしかないケヌス

5.1 特蚱よりも効率的な暡倣察策がすでに存圚する

貎瀟が、すでに特蚱よりも効率的な暡倣察策手段を有しおいる堎合、特蚱を取埗せず発明を秘密ずしお管理しおいくこずが良いかもしれたせん「 かもしれたせん」ず蚀っおいる理由は埌述したす。

補品に含たれる発明の内容を倖からでは確認できず、か぀、貎瀟がすでに匷固な秘密管理䜓制を有しおいる堎合などです。

䟋えば、補造工堎で䜿う金型、補造・加工方法、品質怜査方法などは、開発に高い技術力が必芁ですし、完成したノりハりは非垞に高い技術的䟡倀を有したす。

ですが通垞、工堎内に瀟倖の人間が入るこずはできないので、第䞉者がそのノりハりを知るこずはできたせん。

金型の圢状・寞法等は完成した補品から知るこずも困難です。

こんなずきは、うたくすれば垂堎を独占し続けるこずができるかもしれないので、そのような独占性を重芖する堎合、特蚱出願をしないずいう刀断をするこずになりたす。

ただ、他瀟が貎瀟ず同様の技術を発明し、その発明に特蚱を取埗しおしたう、その発明を含んだ補品が垂堎に珟れるずいう可胜性は排陀できたせん。

その堎合には、貎瀟補品の垂堎での䟡倀が急萜しおしたうかもしれたせんし、他瀟特蚱の䟵害ずいう耇雑な事態に巻き蟌たれおしたう可胜性もありたす。

5.2 特蚱暩のメリットを十分享受できない

たた特蚱暩のメリットを十分享受できない、特に差止請求暩を行䜿しにくい堎合は特蚱出願しないようが良い堎合がありたす。

先皋の䟋ず重耇したすが工堎内で䜿われる技術がこれに圓たりたす。

工堎で䜿われる技術は特蚱出願しないほうが良いこずを衚す図

工堎内で䜿われる技術は、仮に特蚱された技術ず同じ技術を他瀟が䜿甚しおいたずしおもその発芋は極めお困難です。

なので、他瀟に察しお「ダメロ」ずいうのも難しいずいう事情がありたす。

他方で、特蚱出願をするず技術の内容は出願公開によっお他瀟に知られるこずずなりたす。

メリットに察しおデメリットが倧きく感じられ、このような堎合は特蚱出願をしないずいう刀断がされるこずもありたす。

5.3 特蚱を取埗できないので秘密にするしかないケヌス

もう䞀぀の特蚱出願をしないほうが良いず考えられるケヌスは、特蚱法䞊、特蚱を受けるこずができない堎合です。

具䜓的には、貎瀟のアむデアが特蚱法䞊の「発明」に該圓しない堎合です。

特蚱法䞊の発明に該圓しない䟋

  • ゲヌムのルヌルそれ自䜓単なる取り決め
  • 技術的なアむデアでないもの発明は、技術的思想でなくおはならない

参考特蚱庁「特蚱・実甚新案審査基準」、第䞉郚特蚱芁件 第1ç«  発明該圓性及び産業䞊の利甚可胜性特蚱法第29条第1項柱曞

ただこのようなものの䞭にも、ビゞネスを行う䞊で有甚なノりハりは倚数ありたす。

技胜は特蚱を取るこずができなので特蚱出願しないほうが良いこずを説明する図

䟋えば、熟緎した工堎の職人によっおのみ達成可胜な埮现な加工技胜・スキルなどです。

ですが特蚱法䞊ではそのような技胜は特蚱を受けるこずができたせん。

これらは特蚱出願せず、自瀟の匷みずしお瀟内から流出するこずのないよう秘密管理するようにしたいです。

6. 特蚱を取埗したほうが良いず考えられるケヌス

最埌に、特蚱を取埗したほうが良いず考えられるケヌスをケヌス玹介したす。

特蚱を取埗すべき぀のケヌス

  1. より効率的に暡倣品察策・競合他瀟参入の阻止を図りたい
  2. 資金調達・事業提携の可胜性・安党性を高めたい
  3. ビゞネス継続性を重芖したい
  4. より効率的にブランディング掻動を行いたい

6.1 より効率的に暡倣品察策・競合他瀟参入を阻止したい

効率よく暡倣品察策を行いたい、競合他瀟が垂堎に参入しおくるのをより効率的に阻止したい堎合は、発明を秘密ずしお発明を管理しようずするよりも、特蚱を取埗した方が良いず考えられたす。

特蚱暩は、暡倣に察しお「やめろ」ずはっきり蚀える暩利差止請求暩

損害の賠償を請求するこずができる暩利損害賠償請求暩

「特蚱取埗枈」、「特蚱出願䞭」等の理由による牜制効果

すでに説明した通り、特蚱取埗は、暡倣察策・競合参入防止策ずしお、これらの匷力なメリットがあるからです。

特蚱が有する匷力なメリットを衚す図

発明を秘密にするこずによっおも暡倣を防止するこずができる堎合もありたすが、他瀟に察しお法埋に基づいお暡倣をやめろずたで蚀うこずはできたせん。

特蚱取埗には、1件あたり䞇円ずいった費甚が必芁ずなりたすが、この費甚はこれから秘密管理䜓制を瀟内に構築しおいく費甚よりもおそらく安䟡です。

たた、暡倣察策をしなかった堎合に枛少しおしたう売䞊ず比范すれば、その費甚察効果の高さも明確です。

特蚱の費甚察効果の蚈算䟋
タヌゲット垂堎の垂堎芏暡 玄億円
目暙シェア 
補品寿呜想定 幎

→ 目暙ずする幎商 億千䞇円

この堎合に、仮に売䞊が枛少するこずを想定するず、貎瀟の売䞊枛少額は毎幎1500䞇円です。

䜕も察策をしないず、補品寿呜幎間の間、毎幎1500䞇円もの売䞊枛少が発生し続け、枛少の総額は7500䞇円です。

6.2 ビゞネスの継続性を重芁芖したい

ビゞネスの継続性、事業の持続性を重芁芖したい堎合も、特蚱を取埗したほうが良いず考えられたす。

先行技術調査、特蚱出願、審査官による審査ずいった䞀連の特蚱取埗掻動により、他瀟の特蚱状況の確認も同時に行うこずができ、これによっお他瀟の特蚱暩䟵害ずなっおしたう可胜性を䜎枛できるからです。

仮に、他瀟の特蚱暩を䟵害するこずずなっおしたった堎合でも、自瀟で特蚱を取埗しおいれば、「クロスラむセンス」ずいうラむセンス手法により倧ダメヌゞを受けるこずなくビゞネスを継続できる可胜性を残すこずもできたす。

なお、特蚱を取埗しおいない堎合であっおも、䟵害予防調査等を行うこずにより、特蚱暩䟵害のリスクを䞋げるこずは可胜です。

ただ、どんなに調査を行っおも特蚱䟵害の可胜性をれロにするこずは通垞ずおも困難なこずので、自瀟で特蚱を保有し、「クロスラむセンス」に備えおいないこずが、倧きなマむナスに぀ながる可胜性はありたす。

クロスラむセンスを説明する図

6.3 資金調達・事業提携の可胜性を高めたい

資金調達や事業提携の可胜性を高めたい堎合も、発明を秘密にするより特蚱を取埗したほうが良いず考えられたす。

発明・技術力ずいった目に芋えない貎瀟の財産知的財産が、「特蚱暩」ずしお「芖える化」されるこずによっお、投資家や事業提携を怜蚎する事業䌚瀟倧䌁業などに評䟡される可胜性が䞊がるからです。

ベンチャヌ䌁業ず事業䌚瀟の事業提携の䟋

CYBERDYNE株匏䌚瀟 × 倧和ハりス工業株匏䌚瀟

医療介護支揎ロボット「」の開発・実甚化を行うサむバヌダむンに察しお、ダむワハりス工業は、販売面での事業提携、倚額玄億円の出資を行うなどした。

株匏䌚瀟 × 株匏䌚瀟ディヌ・゚ヌ・゚ヌ

自動運転技術のず、むンタヌネットサヌビス事業を展開するは、幎、合䜵䌚瀟ずしおロボットタクシヌ株匏䌚瀟を蚭立した。

株匏䌚瀟 × ゜ニヌ

自動運転・ロボット技術のず、カメラ通信技術の゜ニヌモバむルコミュニケヌションズは、幎に自立飛行型ドロヌンの開発・販売を行う゚アロセンス株匏䌚瀟を蚭立した。
リンク゚アロセンス

6.4 より効率的にブランディング掻動・マヌケティング掻動を行いたい

特蚱によるブランディングの説明図

より効率的にブランディング掻動・マヌケティング掻動を行いたい堎合も特蚱を取埗したほうが良いです。

特蚱のメリットのずころでも説明したしたが、特蚱ずいうのは斬新性、独創性、独占性、高い技術力ずいったこずを、これ以䞊ないほど効率良く蚌明するこずができるツヌルだからです。

「この技術は特蚱を取埗しおいる」の䞀蚀で枈んでしたいたす。

このような特性は、斬新で独創的なビゞネスモデル・ビゞネスアむデアで、新しいマヌケットを創出しようずしおいるスタヌトアップ䌁業や、高い技術力で勝負しおいる研究開発型のベンチャヌ䌁業がブランディング掻動の゚ビデンスずしお掻甚するのにうっお぀けです。

貎瀟がこれから創出しようずしおいるマヌケットに、暡倣品や競合他瀟が入っおくるのを防止し぀぀、貎瀟の独自性を䞻匵し、ブランド䟡倀を高めおいけるわけですから。

特蚱暩が可胜ずする「参入障壁構築」ず「ブランディング」の図

こう考えるず特蚱取埗に必芁な費甚は、マヌケティング費甚の䞀郚ず考えるこずも可胜です。

7. たずめ

この蚘事では、特蚱を取埗するメリット・デメリットず、特蚱を取埗しないメリット・デメリットを説明した䞊で、特蚱を取埗しないほうが良いケヌスず、特蚱を取埗したほうが良いケヌスに぀いお玹介したした。

総合的に考慮するず、特蚱を取埗しない方が良いず考えられるケヌスは、この぀に集玄されるず考えられたす。

  • 垂堎を氞遠に独占したいず考える堎合
  • 特蚱取埗のメリットが享受できない堎合
  • 特蚱を取埗できない堎合

他方で、特蚱を取埗した方が良いず考えられる堎合ずは、このように蚀うこずができたす。

特蚱暩の「守るツヌル」ずしおの性質ず、事業を成長させる「攻めのツヌル」ずしおの性質を総合的に掻甚したい堎合

守りのツヌルずしおの偎面

  • 暡倣品等による売䞊枛少のリスク軜枛ツヌル
  • ビゞネス䞭止のリスク軜枛ツヌルずしお

攻めのツヌルずしおの偎面

  • 資金調達・事業提携の可胜性拡倧のためのツヌルずしお
  • 効率的なブランディング掻動・マヌケティング掻動のためのツヌルずしお
  • 垂堎独占のチャンス拡倧のツヌルずしお
  • 他瀟特蚱情報を自瀟の経営方針策定・倉曎ぞ掻かすためのツヌルずしお
  • 瀟員のモチベヌションを高め、䌁業を成長させるツヌルずしお

    特蚱を取埗する費甚を支出するかどうかの最終刀断は、これら倚数の効果を埗るために資金を投資したいかどうかの刀断ずも蚀い換えるこずができたすね。

    ぜひ䞀床、投資を怜蚎しおみおください。

    お問い合わせフォヌム

    あらゆるご䟝頌を喜んでお手䌝いさせおいただきたす。
    お芋積もりに関するこずなら䜕でもお気軜にお問い合わせください。
    ※担圓者より2営業日以内にお返事差し䞊げたす。

      お名前必須(必須)
      䌚瀟名・屋号必須(必須)
      メヌルアドレス必須(必須)
      電話番号必須(必須)
      ご盞談内容必須(必須)
      ご垌望の盞談方法任意(任意)
      お問い合わせの詳现必須(必須)